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狂犬病ワクチンもいろいろ

前回の記事で犬のワクチンについてお話しましたが
狂犬病ワクチンについてもう少し追加しておこうと思います

あ、また長くなります。
ご興味のある方だけお読みくださいませ。



狂犬病についてはもうご存じの方が多いと思いますので
感染経路や症状などは省かせていただきます


狂犬病は日本、英国、オーストラリア、ニュージーランドなど
一部の国々を除いて世界中で発生しています。

日本はなぜ狂犬病が撲滅したか?

それは感染源となりやすい犬にワクチンの接種を
国で義務化したからだと思います。

ワクチンの目的は前回お話ししたように
感染しても発症しないように免疫をつけること
(もし発症しても免疫があれば症状が軽くすむ)
集団でワクチンを接種して流行を抑えること
です。

ワクチンは70%以上の個体が接種していれば流行を抑えられる
ように作られています。

狂犬病は本当に恐ろしい病気なので、発生当時は
70%以上のワンちゃんがワクチンを接種していたのでしょうか。

戦後の経済成長とともに日本の衛生面も良くなり、
良いか悪いか感染源となる野生動物が減り、
野良犬も減少したこともあって、狂犬病の発生は1956年以降
確認されていません。

厚生労働省(人畜共通感染症なので農水省ではありません)によると
平成22年度の狂犬病ワクチン接種率は73.2%だそうです。

ただ、登録している頭数がペットフード協会の調べと比較すると
かなりの差があるようで、実際の接種率は50%を下回っているのではないか?と言われています。

病気や狂犬病のワクチンアレルギー、老齢のため
接種できないワンちゃんも沢山います。
健康なワンちゃんがみんなで接種しないと接種率70%には
ならないのです。

もし、今の状態で日本に狂犬病の感染源となる動物が入ってきたら
どうなるでしょうか?

日本は島国。
検疫さえしっかりやってくれれば安心

・・・なんてことはありません!

もちろん、日本に入国する時の検疫はとっても厳しいです。
マイクロチップを入れた後、ワクチンを接種して
30日以降に追加接種 その後抗体価の検査をして基準値を
満たしている証明が必要になります。
しかもワクチン接種から狂犬病の潜伏期間の平均とされる
180日が経たなければ入国できません。
(または180日に達するまで検疫所に預けなければなりません!)

でも、検疫を通らなかった動物がいるかもしれないし
渡り鳥が運んでくるかもしれません。
発生国で動物に噛まれたことを隠して帰国する人がいるかもしれません。
何があるかわからない限り、みんなでしっかり予防しておきましょうね



そうとは分かっていても、いろいろ疑問や納得のいかないことも
確かに多いのが現状です。

まず、何故日本の狂犬病ワクチンの接種は1年に1回なの?
アメリカは3年に1回でいいのに。。。
という疑問

たまに日本のワクチンの取り扱い説明書にある
有効期間2年を有効免疫期間と勘違いしている方がいます。
これはいわゆるワクチンの賞味期限のようなもの。
ワクチンとしての効果が期待できる使用期間のことです。

日本で取り扱っているワクチンは全て不活化ワクチンです。
細胞性免疫(記憶したりする細胞)には強く働かないので
持続免疫期間が短く、追加接種することで免疫効果を維持する
ワクチンです。

もちろん個体によって免疫(抗体)の量は違うので、2年、3年・・・
と免疫が持続する子もいますが、ちゃんと免疫が作れる犬であれば
1年は免疫が持続するとしています。

ですので1年に1回接種しましょうということになっています。


アメリカなどで接種されているワクチンですが、
生ワクチン、不活化ワクチン、遺伝子組み換えワクチン
の3種類があります。

生ワクチンは免疫は持続しますが、病原体を体に入れるので
発症の危険性があります。

遺伝子組み換えワクチンにもいくつか種類があり、
犬に接種する狂犬病のワクチンはベクターワクチンといって
ベクター(運び屋)になる病原性のないウイルスや細菌に
狂犬病ウイルスのタンパク質遺伝子を入れたもので、
接種した動物の体内で増殖させて免疫を誘導ます。
生きた微生物を使うので、生ワクチンと同じく免疫誘導が強いので
副反応を起こしやすいアジュバンドも必要なく、
ワクチンによる発症もない安全なものとされています。

この生ワクチンか遺伝子組み換えワクチンを接種すれば
免疫は3年以上持つことになります。

日本でなぜ遺伝子組み換えワクチンが使われないのか?

実際の理由は知りません。

おそらく「遺伝子組み換え」という人為的にいじった物の
安全性の問題だと思います。
(違ったらスミマセン

農作物でもアメリカなどは生産性を上げ、コストを抑えるために
害虫に強い遺伝子を組み込んだり、不毛地帯でも育つようにしたり
いろいろな遺伝子操作が行われています。
もちろん安全性を確認してから出荷されています。

生産者にとってはメリットは大きいですが、
そのような作物を育てていることで
まわりの自然の生態系が崩れる可能性があったり
それを食べた人の健康被害の不安などが問題視され、
特に日本は遺伝子組み換えに対してとても慎重になっています。

その影響で「遺伝子組み換え狂犬病ワクチン」の導入も
されていないのだと思います。
(あくまでも私の考えですが・・・)

余談ですが、
猫は不活化ワクチンのアジュバンドで副反応が起きやすいため
遺伝子組み換えの「猫白血病ワクチン」というものが導入されているので
もしかしたら狂犬病の遺伝子組み換えワクチンも導入されるように
なるかもしれないですね。

また、数年前までは日本に輸入される際の検疫では
「ワクチンに含まれている病原体が死んでいること」
つまり、不活化ワクチンのみ認められていましたが
現在は遺伝子組み換えワクチンも生きた狂犬病ウイルスを接種
したわけではないので認められるようになりました。


今までは犬や猫にワクチンを接種することで自然界の発症を
抑えるような方法をとってきましたが、
野外に放置しても死なないベクターを使った
遺伝子組み換えワクチンができたことで
肉やクッキーにまぜて自然界に散布して野生動物に食べさせ
予防することもできるようになったので
犬にそれほど強固に予防しなくてもよくなっているのも
3年に1回の接種で良いとされている理由かもしれませんね。

接種義務がなくなった国も増えてきました。

日本ももうしばらくしたら遺伝子組み換えワクチンが導入され
3年に1回で良い という風になるかもしれないですね。

現状は1年に1回という決まりなのでそれに従いましょう。


ただ、海外で遺伝子組み換えワクチンを接種していても
帰国後は毎年接種しなければならないと言うのは
どうかなぁ?と思います

免疫がしっかり残っているのが分かっていて追加接種するのは
避けたいことです。

検疫で認められている2年間は抗体価の検査結果を添付すれば猶予されるのか
今度役所に聞いてみます。
(猶予書自体、法規制がないのであいまいな書類なんです
厚生労働省にある狂犬病予防法に猶予書のことは書かれてません)



また長々と小難しい話をしてしまいました

支離滅裂な文章になってしまってすみません

読んで下さった方、ありがとう

DSC_0236.jpg


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2012-02-08(Wed)
 

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先日も、報道で某県で某犬種(危険犬種に指定されている)が逃亡し、
捕獲したのですけどその子たちが狂犬病ワクチン接種していなかったため、
念のため保健所がその県のその犬種のオーナーを調べたところ、半分以上の犬が未接種、しかも未登録だったそうです!!!

この犬種に限らず、全国でワクチンや登録をしていない人はかなりの数に上るのでしょうね・・・(パピーミルも含めて)
こういう人たちがいるから、ちゃんと飼育している人までがひとくくりにされてしまったりして、悔しいです。

「日本では発生していないから」とか「ほかの国では・・」とか言わず、
日本に暮らしているのだから日本の決まりに従わないといけないと思っています。

もっと罰則を厳しくしたり、未接種を防ぐように力を注げばいいのに、
今年からなんとヨーロッパ諸国から犬を輸入する際に子犬が輸入できない決まりになりました・・・
理由は狂犬病関係です。
今まで、ヨーロッパとオーストラリア(狂犬病未発生国)からは子犬を輸入できたのです。

犬種によっては、日本の遺伝子プールがあまりに狭いので、海外からの血を必要とする犬種がいます。
犬の輸入が厳しくなってしまいました。
成犬の輸入は、環境の変化に適応するのも大変だし、何より諸経費がかかってしまうので大変なんですよね・・・
そんなところの決まりを強化するより、国内のことを強化して欲しいものです・・・。
悪徳ブリーダーを取り締まるのは、実質、狂犬病予防法でしか無理だったはずなので、
もっともっと摘発して取り締まって欲しい!!と思ってしまいます。

途中から関係ない話(犬の輸入)になってしまってすいません。

狂犬病ワクチンに色々な方法があるのは初めて知りました。
1つ、昔から疑問に思っていることがあるのですが、獣医さんって犬の体型に関係なく同じ量を接種されますよね。
極端に言えば、2kgのチワワも80kgのセントバーナードも同じ量!?
これは問題はないのでしょうか??
2012-02-10 20:23 | えり | URL   [ 編集 ]

 

えり様

今年から英国、ノルウェー、スウェーデン、アイルランドが指定地域から外されることになったんですよね。
狂犬病ワクチンが接種できる月齢から180日ということは、最短でも生後9ヵ月齢か10ヶ月齢になりますね。
私はブリーディングのことは詳しくないので、この法改正でどのような支障がでるのかよくわからないのですが ブリーディングを予定している犬は普通パピーの頃に入手するんですか?
てっきり成犬を譲り受け(または♂を交配の為だけに一旦借りて)輸入しているのかと思ってました。

成犬で輸入すると諸経費がかかる・・・というのは、輸入できるまで育ててもらわなきゃいけないから ということですか?
(狂犬病ワクチン接種など輸入に必要な費用も含めて?)
サルーキはどこから輸入されることが多いんですか?
無知でスミマセン。。。

狂犬病ワクチンは日本のものは不活化ワクチンなので病原性はないとのこと、またワクチンを製造する際に行われる臨床検査結果を踏まえた上で、サイズを問わず全ての犬に1mlの接種することになっているので問題はないはずです。

ここで書いたらまずいかもしれませんが、私は自分のサジ加減で多少量を変えています。
免疫が作られなくて、もし発症してしまった場合のことを考えると指示通り1ml接種すべきなのですが、サイズ、年齢、体調で若干減らして接種することはあります。
もちろん飼い主さま同意のもとです。

狂犬病発生国で野生動物用に散布されているワクチンも
小さなネズミから鹿や熊が食べても問題ないという結果がでています。

私の認識不足でしたが、現在日本も遺伝子組み換え狂犬病ワクチンの接種が認められていました。
まだ日本で製造・販売はされていませんが、海外から輸入すれば日本でも接種可能となります。
またひとつ選択肢が増えて混乱しそうですね。
2012-02-10 23:21 | hanamama | URL   [ 編集 ]

 

昔は集団接種で保健所に行ってだったと思うのですが最近は獣医さんでとなっていますが、あんまり詳しい事がわかってないままでした。いろいろあるんですね。
今度受ける時にいろいろ聞いてみようかな?
猫と犬はまた違うのですね。
時代とともにこういうワクチンもグローバル化するのかな?
2012-02-11 00:08 | rinomasa | URL   [ 編集 ]

 

rinomasaさま

犬を飼ったら狂犬病と混合ワクチンとフィラリアの予防をすりゃ~いいんでしょ。 と何のためにするのかわからないまま予防をする人が多い(多かった?)と思います。
獣医師もそれを主訴で来て、何も質問がない場合は患者さんが理解した上で希望しているものとして説明を省いてしまうことが多いのではないでしょうか。
特に狂犬病の予防の時期はフィラリアの検査と重なって、とっても忙しいので説明を省くことが多くなります。
私も副作用のことは毎回必ず言いますが、ワクチンとはどんなものかまでは初診の人以外には説明していません。
もちろん集合接種でも説明なんてしませんから、理解しないまま当たり前のように予防している人が多いと思います。
ブリーダーやペットショップ、そして動物病院の2重でしっかり説明するべきですね。
犬と猫は基本的に違うところが多いので、病気の予防やかかりやすい病気なども全く違います。
また時間をみつけて猫についてもアップ予定です。

2012-02-11 17:26 | hanamama | URL   [ 編集 ]

 

こんにちわ。

先日、アーチもドイツに来てEU国内のいわゆるパスポートを作りました。そのパスポートには予防接種の履歴が書いてあります。ドイツでも稀に狂犬病が発生しておりますが、接種は三年に一度。他にジステンバーやパルボウィルス、レストスピラの混合ワクチンも接種します。
私達はいつ日本に帰国するかわからないので、狂犬病の摂取は義務だと思っていますが、日本で狂犬病の接種を怠っている人の話はよく耳にします。理由は高いしーーーーー、うちの犬は散歩嫌いだしーーーーー、他のワンちゃんが嫌いだしーーーーーー。そして、副作用というリスクがあるという話しも何故か耳にします。本当なのかしら???
ちなみに私達がハンブグルに来るときにロンドン経由で入国しようと思ったらイギリスにおけるアーチの係留時間が長く、乗り継ぎ便の確保が難しかったのでEU国内の乗換えできました。
これもかなり手続きが面倒で、ブリティッシュエアウェーに犬を乗せることをやんわり断られました。あははは。
ま、日本のお役所です。妙なところが厳しくって、おや?と思う事が沢山あって。
私達は出国する際に色々と痛感しましたよ。びっくりするほど。
hanamamaさんの言いたいこと・・・・・すっごくわかるなぁ。さすがプロ!!!!
これからも貴重な情報などよろしくです。
帰国したらアーチの健康診断など宜しくお願いします。
2012-02-21 20:04 | アーチ母 | URL   [ 編集 ]

 

アーチ母さま

海外への犬の輸出や輸入(この言葉もあまり好きではないけど・・)はホント面倒くさいですよね。
帰国の準備も数ヶ月前から始めなきゃいけないから大変ですよね。
副作用も混合ワクチンのようなアレルギー反応とかはでないようなものになってるので、体調が悪くなったワンちゃんは何か体に負担にがかかる状態(集合注射で興奮したとか接種非適応の疾患にかかっていて飼い主が気付いていなかったとか)が原因になっているものがほとんどです。
体調が悪い時に接種すれば、注射をするストレスだけでも余計に調子が悪くなることもあるので 全てワクチンのせいにするのは間違っていると思います。
そのようなことをさけるためにも、飼い主の日頃の健康管理が大切だし、集合注射をすすめる獣医師会側も考え方を見直す必要があると思います。
過去に接種後死亡した例もありますが、フィラリア症と気付かずに集合注射に行き、興奮したため心不全で亡くなった・・・との報告もあります。
病院に行ったことがなく、狂犬病予防だけすればいいと思っている方もまだ多いので、そのようなことが起きてしまうのだと思います。で、更に獣医師嫌いになってしまう。。。
定期健診・各種予防は飼い主の義務だと思ってワンちゃんを飼ってほしいです。

ひとりでも多くの方のお役に立てるのであれば、また予防のことや病気のことなど綴ってみようと思います。

帰国したら是非アーチ君を連れてきてくださいね!
それまでキリンも元気でいてくれてるといいな。
2012-02-21 21:33 | hanamama | URL   [ 編集 ]

プロフィール

hanamama vet.

Author:hanamama vet.
5歳の娘Hanaとサルーキ&カメと暮らすママ獣医。
2012年6月にアネア動物病院を開院。
体に優しい治療を心がけています。
北欧家具・雑貨が大好きな一家です。

ソフィ サルーキ♀2007.1.17生
Hana 2009.4.24生
ケヅメリクガメ 2014年生まれ(性別不明)

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